よくいる57歳の日記

そこらへんによくいる56歳の日記

「異界百名山」何も起きない怖さよ…

前投稿の続き… 番組のもとになったのは、

 

 山と渓谷社から出版されている、写真家 田中康弘さんの著作

『山怪』と 『山怪 弐』

 山と渓谷社から ヤマケイ文庫って文庫本がでてるのに驚く。

 

現代の遠野物語、というキャッチコピーがついてる。

 

個人的に、『遠野物語』で、一番怖い話は

曲屋の外塀の上のほうに、巨大な男の影が横に張り付いていて、それをみたけど、別に何も起こらなかった、という話…。似たような話がいくつか採取されていて、何も起きない。

 

何も起きない ⇒人間のあずかりしらぬできごとが起きているのかも…と思わせる不気味さよ。

 

昨日の番組でも、一番最初のが、ちょっと何も起きない系。

避難小屋にいたら、悪天候の中、山伏のもつ金剛杖みたいにシャンシャンなる杖の音がして、ばっと山小屋のドアが開いて、音だけ中に入ってきた…。音だけ中に入ってくるってだけでも相当怖い。山小屋の中にいた人たちは、押し黙ってしまい、朝も無言のまま別れた。それ以上は何も起きない。

 

当事者の方のひとりは、あの日、誰も悪天候の中、山を降りようとか考えず、誰も死ななかった、何かが自分たちを助けにきてくれたんだ、と考えるようになった、と語ってた。

 

人間のわからないことが起きている、人間は全知全能じゃないのでそれは当たり前だけど、少し不思議なことが起きたとしたら、それは何かをしらせてくれているんだ、と考えるのはいいことだと思う。