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じゃがいもとカジノ

100万人を救った”移民国家アメリカ”ジャガイモ飢饉から学べること | 経済は地理から学べ! | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

 うーん、ちょっと違うところがある。

1845~49年のアイルランドのじゃがいも飢饉は、じゃがいもの病気による不作、それによる可容人口が…と簡単にいっていい問題じゃない。

 

小麦などは採れてたのに、それを税として搾り取ってるアングロサクソン人のプロテスタントが、アイルランドカトリックを助けようとしなかったから、が定説でしょう。

 

アイルランド人から小麦・大麦をとりあげたいから、じゃがいも栽培を勧めたイギリス人。アイルランドでは泥炭があちこちで採れるため、小麦をこねてパンを焼くよりも泥炭で簡単に調理できるじゃがいもが便利だったから広まった。それと、おそらく、味も好みだったのでしょう。アイルランド人はほぼじゃがいもを主食とするようになり、アングロサクソン支配下に置かれながらも人口は爆発的に増えた... 

じゃがいもは連作できるし、戦争で踏み荒らされても収穫できる。頼りにしてた...

そこを襲ったじゃがいもの病気。

 

小麦を食べないように長年仕組まれているから、作物を育てながらも飢える、それをみないふりするアングロサクソン…。怖いよね。

親の代からじゃがいもが主食で、普段は四苦八苦して地主とうまくやって、なんとか小麦を納めて追い出されないように頑張ってきたのに、いきなり小麦を奪うとかしないのが、普通でしょう。だいたいそんなことしたら殺されるし。アイルランド人が死を意識しはじめたのは、じゃがいもの不作が始まった2年目からだったそうです。

 

パンをよこせ!で始まった1789年フランス革命は小麦の不作が引き金だった。そのちょい前のパリの庶民は畑で採れたものを食べてほぼ自給できてた。だいたい白いパン食べなかった。数十年の間に産業化が進んで、畑を手放して金持ちの経営する工場で働くようになった。食べるものはパンを金で買うしかなくなった。不作になると値段がめちゃくちゃ上がって買えなくなる。っていうか、金持ちが捕っちゃうからそもそも売ってない。畑で育てればいいじゃない?といっても、もう遅い。

 

 じゃがいも飢饉では、実際は餓死よりも栄養状態が悪くなって疫病で亡くなる人が多かったというが、フランス革命の時代も、庶民は病死が多かったようです。

 弱者のセーフティネットなんて考慮せず、支配者の欲望のままに社会構造が変えられ、権力がその構造を守っている結果、はじきとばされて倒れるのは庶民だけになる。

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引き出される教訓は、支配者がもってくる目先の利益に騙されるな。

支配者は庶民のセーフティネットなんて考えてない。

 

国あげてカジノって、目先、税収は増えるのかもしれない。(いや~多分無理。なんだかんだ経理操作で利益0なんで納税しませんと言われるのがオチじゃないかな?純利益じゃなくて賭博売上に課税するんだっけ?)

だけど、受け入れていくことで、その先に何が待っているのか、今一度考えようよ、と国民にいいたい。人生を大事にしようとおもったら、カジノの存在は邪魔じゃないのか? コントロールしきれるのか?だいたい、税金増えても増えても、政治家は無駄遣い多すぎないか?

 

世論調査では横浜市民は半数以上がカジノ反対といってることになっているが、市庁舎に入れるのは地元の企業経営者(元町商店街や中華街、商工会議所)みたいな、賛成側の「市民」だけだし。林のばあさんが、「市民は賛成ですっ」とのたまうのは、ここら辺のことを言ってるとおもう。

 

カジノに賛成する企業って、すでにギャンブル中毒だよね…

反対派の市民がよく、「既にギャンブル中毒なのは貴女ですよ」、と市長にいってる。

キャノン、京急大成建設、東京建物、サントリーみずほ銀行、JTB、電通 は、もうけるためには田舎につくるより横浜に作りたい、とそろばんをはじいている。カジノ業界では立地から200km以内の住民の金融資産から予想利益を計算するから。この8社の社員は、カジノを嗜んで大人のゆとり、みたいな洗脳を受けると思う。企業研修でカジノにきて、最初は会社のお金でルーレットを回すかもしれない。他の大企業もなびいていったら、この国どうなるの?いちおう規制として「外国人富裕層」を対象にするので、日本人向けにDM発送やCMは許可しないことになっている。けど、「外国人富裕層」と自らを同一視したい日本人はたくさんいそうだなあ。自分で自分をセレブ認定して行くのは自己責任ですかね...。

 

企業を儲けさせるためにカジノ作って、一般市民はカジノで清掃のバイトしてハッピーなの?カジノがないと働く場所もない国ってどうなの? もし、「カジノのおかげ」ってものが一時的にあったとしても、効果が薄れたときの反動が恐くないの?

 

今、書いてて、一方で、おおげさな、と思ってしまう自分がいるが、いやいやそうじゃない。偏った政策は、うまくいったときは国民にも利益はあったとしても、ダメな時のしわ寄せは国民だけに来る。

 

カジノ誘致=極度のカネ余りへの依存。その考え自体が恐ろしい。今の日本の財政規模が続くのであれば、ごく一部を賄うことになるとは思う。でも、原発だってあるのは知ってたけど、いつの間にか50個以上もあって電力の依存度は最大30%までになってた…のを知ったのは原発事故の後だった。始まったら静かに知らされず増殖していくのを止められるか?あるいは、財政規模のほうが縮小して存在感が大きくなってしまうことも考えられる。

 

今は税を無駄に使うことを、市中に還流とか景気のためだからとか言いすぎ。ざばざば使うためにはもっと税金がないと...将来は不安ですよ、不安ですよ、とあおりまくって、いったい国民をどこに追い込むつもりなんだろう?

 

1円をいかに未来のために効果的に使うか、考え抜いて使っていく政治が行われ、それでも足りない、断腸の思いでカジノなら仕方ないのかもしれない…。でも、今、自分の利権づくりしかしない政治家ばかりの今は、絶対やるべきじゃない。

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*じゃがいもの悪口みたいになっちゃってるけど、

人類史上、じゃがいもが飢饉から救った人間の数はすごいらしい。

 

*若いころ洋楽聴いてた中年なら、THIN LIZZY などのロックミュージック経由で知っている、シンフェイン党中心の武力行使も辞さないアイルランド独立運動は、1998年に和解。Thin Lizzy のフィル・リノットさんは早死にされたので、それをみることもなく…。懐かしい… 

 

*カジノって、じゃがいもや原発のように、「それでもいいところ」がまったくないよな…。横浜市ギャンブル依存症対策しますとかいってるが、自ら危ない仕掛けを作って、それに対応するとかって一種のギャグなのかな?って思ってしまう...。