2/28 国立新美術館のメトロポリタン美術館展に行ってきました…。ちょっと時間ができたので。
月曜日はありとあらゆる公立の美術・博物館はお休みなのだが、国立新美術館は休みが火曜日なのは以前にチェックして知っていた...。でも、なんか建物がつまんないんだよね。国際フォーラムとかパシフィコ横浜みたいな展示場スタイル。敷地は広くて素敵だが、まだ冬なので鳥の鳴き声も聴こえず。
ルネッサンスから、20世紀、モネ、ゴッホ、ゴーギャンまでの所蔵品の展示だった。
フェルメールが妻と結婚してカトリックに改宗したころに描いたらしいといわれる絵が出品されてた。キリストの磔の絵があって、その前で女性が足の下に地球儀を踏みつけ、石のタイルの下で蛇が血を流して死んでいるという絵。カトリックは地球を支配し、教会の存在は邪悪な勢力を滅ぼしている、という寓意だそうで、フェルメールの庶民の日常を描くというスタイルからしたら異質な一枚だそう。
最近『窓辺で手紙を読む女』という絵で、壁に描かれていた天使の絵が塗りつぶされていた、と話題になっているけど、天使の絵はないほうがすっきりするのでフェルメールが自分で塗りつぶしたにきまってる。フェルメールに限らず、昔の絵ほど、微妙に説明的なものがちょこちょこ描きこまれている。天使の絵は、女性が読んでいる手紙はラブレターなんだ、という説明的なものらしい。フェルメールは、描いちゃったけど、一歩抜け出そうとして塗りつぶしたのだろう。
いろいろ描き込んじゃうのも、なんとか一枚の絵をいいものにしたい画家という人種のたどってきた歴史なんだろうね。それと、宗教画の伝統? 目にみえないものを描かないといかん、とか、観た人にわかりやすいようにしないといかん、とか。
その人の名で展覧会されるような画家ってほんとに巧いよな、って当たり前だが、思った。エル・グレコ、ベラスケス、カラバッジョ、クラナッハ…。点と線で結ばれた像の力の強さが激しい。
そうしてみていって、最後のほうに ゴッホの『花咲く果樹園』、モネの塗ったくっただけ『水蓮』。よくぞここにたどり着いてくれた…。日本人なんでしょうか?微妙に浮世絵チックなゴッホがやっぱり好きである。
ディーリック・バウツって人が書いたちっちゃい聖母子像、おばーちゃんチックな聖母とじーちゃんぽい子供なんだけど、子供がおかあさ~ん~ってなってる表情が〇。多分、個人宅の個人的なスペースに飾るために描かれ、その家の人に似ているのだろう。
マリー・ドニーズ・ヴィレールという女性画家の描いた、女性画家の絵。窓の外の建物の屋上に光をあびたカップルが小さく描かれ、部屋の中で手にカンバスを持って、光が差し込まず陰になった顔をこちらにむけた女性が描かれている。
メトロポリタン美術館は、アメリカ建国90年の記念に美術館を作ろうって決めて、一枚も飾る絵がないところからスタートして今に至るのだそう。1870年創立。東京国立博物館が今年、創立150年なので、同じころにできたのか。
ウクライナとロシアがいちおう協議するといってるから観れた…。土日は、何もできなかった…。攻められているウクライナは被害甚大だが、ロシア人もプーチン的でない指導者が現れないと辛いよ…。核兵器が使われることがないように。プーチンとその一派に殺される人が増えないように。祈ることしかできない。最近、わたしは祈らない!(夢のために行動する!)みたいな勇ましい台詞をきくことが多いのだが、祈ることがすごく大事な場面もある。祈ることだって行動ですし。