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漫画「セシルの王」

12/02 セシルの女王 だったんですね…タイトル 

 

ポッキーの日っ!

ビッグコミックスピリッツで「あさひなぐ」(高校のなぎなた部の話)を連載していた、こざき亜衣先生の新連載、「セシルの王」がビッグコミックオリジナルで連載開始。

エリザベス1世とその時代の名政治家ウィリアム・セシルが主人公のようです。まだ2話なんだけど…。

妊娠中のアン・ブーリン(おなかの子がエリザベス1世)と、王室に出入りする仕立て屋の息子、ウィリアム・セシルが仲良くなる。アン・ブーリンがいい人である。

 

史実を確認。

(ヘンリー8世の六人の妻に番号を付けます)②アン・ブーリンは愛人に甘んじることを良しとせず、ヘンリー8世に結婚を迫り、最初の王妃①キャサリン・オブ・アラゴンを追い出した悪女というイメージがある。

しかし、漫画の中では離婚について、「あなたが勝手にやったこと」といってる。

後からみると、ヘンリー8世は結婚離婚を繰り返しながら、幼少時からのカトリック信仰心を脱ぎ捨てていき、カトリック弾圧を強めていってる。修道院や教会の力を削ぐのは政治的な目的だろうから、最初の離婚もアン・ブーリンが頼んだのではなく、ヘンリー8世がアン・ブーリンを悪者にしたててやったこと、というのも十分ありえる。最新の歴史研究ではどうなんでしょうか?

アンは女子を産んでわずか2年後に反逆と不倫疑惑で王に処刑された。アンのハトコの③ジェーン・シーモアが次の王妃に収まったが、王子を産んで死亡。次の妻は、宰相クロムウェル☆が同盟相手として勧めるドイツの貴族の娘 ④アン・オブ・クレーブスだったが、エロ方面で不満だったのとクロムウェルはクビにしたため、すぐ離婚し、またブーリン一族の血筋の⑤キャサリン・ハワードと結婚。また不倫疑惑で処刑。最後の妻、⑥キャサリン・パーは、①の娘と②の娘を庶子から王女に戻し、王位継承権を復活させ、高度な教育も与えた...。

一族の中から3人もの女がヘンリー8世の妻になっているし、アンの母も、結婚して宮廷を去った姉妹メアリー★も王の愛人をやっていたので、漫画の中の「女性は一族の道具として使われた」という台詞がもっともだと思う。一人の野心的な女性が~って話ではない。

ブーリン一族では日本の遊郭がやってたように、女同士を競わせ、エロを含むオンナ磨きをさせて、あちこちの貴族や金持ちに差し出してきたのだろう。競争心をあおると、なんかこれ馬鹿らしくね?って思う人は少数派になって、大勢がその方向で頑張ってしまう。でも、結局ブーリンの男たちも適当なところで処刑されてる…。ヘンリー8世は、エロはブーリンの女たちで済ませ、最後は教養ある女性に後を任せて死んだので、確信犯なんだろうね。

 

でも、エロからしか子孫は誕生しない。ブーリン一族は排除されても、③の息子も、②の娘も王、女王になった。

②の娘、エリザベス一世は44年間君臨し、その後継は当世の政治状況を鑑みてウィリアム・セシルが選んだスコットランド王ジェームズ6世になった。

エリザベスは、セシルほどの名宰相を持つ君主は私以外にはいないだろう、と自慢してたそう。

 

というわけで、セシルの王=エリザベス一世という漫画のタイトルも納得。

☆17世紀に王政を廃止してコモンウェルス(共和国)をたてて、枢機卿として国を治めたオリバー・クロムウェルのひいひいばあさんの兄弟のトマス・クロムウェル

★の人は、故ダイアナさんの先祖らしい。

 

しかし、なにかにつけて首切りまくりである。ロンドン塔って怖くてみれない。幽閉と首切り…。「王族であるとはこういうことだ」と、漫画の中で、王がアン・ブーリンに言っている…。